家庭裁判所送致前は弁護人として、家庭裁判所送致後は付添人として、以下のような役割を担っています。

① 手続の説明

お子様の今置かれている状況を具体的に説明し、今後どのような流れで手続きが進んで行くかということを詳細に説明いたします。
今後どうなるかということが不明であると、お子様の不安がより大きくなってしまいますので、不安を解消するためにも正確な手続きの説明が必要です。

② 警察・検察での取り調べへの対応

事件を起こしたり、起こしたと疑われた場合、在宅又は逮捕された上で警察官や検察官から取り調べを受けることがあります。
取り調べは密室で行われ、大人にとっても負担が大きいものですので、未成年のお子様であればその精神的負担はなおさらです。
取り調べに当たっては、黙秘権(言いたくないことは言わなくてよいという権利)があったり、作成される供述調書に間違っている部分があれば訂正を申し立てたり、署名指印を拒否したりすることはできますが、少年が一人でそれをすることは簡単なことではありません。
取り調べに対しての対応について丁寧に説明し、不利益を被らないようにアドバイスをさせていただきます。

③ 身柄解放に向けた活動

逮捕等身柄拘束がされた場合、未成年のお子様は特に身体的精神的負担が大きく、また学生であったり、就業している場合は、退学や解雇などの不利益を被る可能性があります。
事件の内容等によっては釈放が難しいケースもありますが、早期身柄釈放に向けて次のような活動を行います。
・逮捕後勾留されないように検察官との交渉
・勾留決定を行わないよう裁判所に意見書提出及び交渉
・勾留決定や勾留延長決定に対する準抗告申立
・家裁送致後観護措置決定を行わないよう裁判所に意見書提出及び交渉
・観護措置決定に対する異議申立て
・観護措置取消の職権発動を促す申立て

④ 事実を争う場合の活動

少年が疑いをかけられている事実を争う場合、本人の言い分をよく聴き、不利益な証拠が作成されないようなアドバイスを行い、少年に有利な証拠を収集するなどの活動を行います。

⑤ 立ち直りのための環境調整

少年が非行に至った原因には、少年の人間関係や置かれた環境などが要因となっていることが多く、今後少年が立ち直っていくために必要な環境を整えていく必要があります。
現在の少年の置かれた環境を踏まえ、少年自身やご家族と相談しながら、どのような環境が望ましいか、改善点は何かということを見出し、必要とする関係先との調整を行ったり、就業場所を探す等具体的に活動を行います。

⑥ 自分と向き合うことを支える

弁護士が弁護人または付添人として就いた場合、少年との面会を通じて、少年に様々なことを振り返ってもらい、自分と向き合ってもらうような関わりを行っていきます。
表面的な反省だけではなく、自分と真剣に向き合うという時間を作ることで、非行に関してはもちろん、今後の立直りや生き方にも良い影響を与えると考えています。

⑦ 保護者・家族の方への支援

お子様が非行をしてしまったという場合、ご家族も大変心配され、悩まれることが多いかと思います。
少年の立直りのためにご家族にも良い関わりを持っていただくことが好ましい場合が多く、ご家族と少年との間を取り持ち、良い関係を築いていけるようなサポートをさせていただきます。

⑧ 示談等の被害者対応

被害者がいる事件の場合、被害者の方への対応も重要なこととなってきます。
しかし、被害者との示談等の話し合いは容易でないことも多々あります。
弁護士が少年やご家族に代わって示談等の被害者対応を丁寧にさせていただきます。

⑨ 審判が終わった後のフォロー

少年審判が終わり処分が決定すると付添人としての活動は終了することになります。
しかし、社会内処遇になった場合でも、少年院等施設送致になった場合でも、引き続き今後の立直り等に向けてフォローを必要とされる場合には、継続的にフォローさせていただくことも可能です。

少年事件に関するご相談コラム